1286300

ALPS処理水等の現状

タンク内ALPS処理水等および
ストロンチウム処理水の貯蔵量

(2023年7月23日)

  • 0

    *水位計の測定下限値からタンク底部までの水を含んだ貯蔵量

ALPS処理水等

ALPS処理水約3割
処理途上水約7割

ストロンチウム処理水

タンク

約137万m³

98%

福島第一原子力発電所では、発生した汚染水に含まれる放射性物質を多核種除去設備(ALPS)等で浄化し、
ALPS処理水等およびストロンチウム処理水として敷地内のタンクに貯蔵しています。
なお、ALPS処理水等の貯蔵タンク基数は1,046基(測定・確認用タンク:30基含む)です。その他に、多核種除去設備で処理する前のストロンチウム処理水を貯蔵するタンクが24基、淡水化装置(RO)処理水12基、濃縮塩水1基があります。

ALPS処理水等の放射能濃度

  • 35%
    (418,500m³)
  • 31%
    (369,700m³)
  • 17%
    (209,400m³)
  • 13%
    (157,600m³)
  • 5%
    (56,700m³)

ALPS

(2023年3月31日現在)

*満水タンク(再利用タンク含む)のみカウントした貯蔵量で、全体貯蔵量とは差があります

告示濃度比総和別(推定)貯蔵量

  • 〜1倍
  • 1倍〜5倍
  • 5倍〜10倍
  • 10倍〜100倍
  • 100倍〜19,909倍

再利用タンク(処理途上水)

79,000m³

  • 割合は小数点以下四捨五入のため割合の和が100以下になる場合があります
  • 再利用タンクの貯蔵量内訳・告示濃度比総和評価値は「再利用タンク貯蔵量等を詳しくみる」からご覧になれます

現在、ALPS処理水等は、トリチウムを除く大部分の放射性核種を取り除いた状態でタンクに貯蔵しています。 多核種除去設備は、汚染水に関する国の「規制基準」のうち、環境へ放出する場合の基準である「告示濃度限度」より低いレベルまで、放射性核種を取り除くことができる(トリチウムを除く)能力を持っています。ただし、設備運用当初の不具合や処理時期の運用方針の違いなどにより、現在の告示濃度比総和別の貯蔵量は図の通りになっています。

汚染水処理の経緯

福島第一原子力発電所では、敷地内でALPS処理水等をタンクに貯蔵する際の国の基準「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を満たすため、2013年度以降、多核種除去設備等による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成しました。
多核種除去設備は、それ以降も発電所のリスク低減を踏まえた運転を実施しています。

  • 2013年度〜2015年度
    • 課題

      セシウムのみを取り除いた状態の高濃度汚染水を敷地内のタンクに貯蔵していた2013年当時の敷地境界線量は、9.76ミリシーベルト/年に達し、国の定める基準である「敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年」を大幅に超過していた。

    • 処理方針

      多核種除去設備による処理を2013年より開始し、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年の早期達成を目標とし、稼働率を上げて浄化処理を実施。

    • 結果

      多核種除去設備による浄化処理を進めた結果、2015年度末に敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を達成した。一方、多核種除去設備の不具合などにより、核種別の告示濃度超過も発生した。

      空間線量
      処理水の放射性物質の濃度
      • サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      • 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

  • 2016年度
    • 課題

      多核種除去設備等による処理が進んだことにより、処理容量がタンクの建設容量を上回ったため、処理水を貯蔵するタンクが不足しはじめた。

    • 処理方針

      処理水を貯蔵するタンクの建設を急ぐとともに、多核種除去設備の浄化能力をいかし、核種別の告示濃度を意識した処理を実施。

    • 結果

      多核種除去設備の浄化能力をいかした処理を行ったため、2013年度~2015年度と比べ、核種別の告示濃度超過の発生割合が少なくなった。

      処理水の放射性物質の濃度
      • サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      • 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

  • 2017年度〜
    • 課題

      漏えいリスクの高いボルト締めのフランジ型タンクに貯蔵している水を早期に処理すること。

    • 処理方針

      2018年度末までにフランジ型タンクに貯蔵している水を多核種除去設備で処理することを目標とし、敷地境界における実効線量1ミリシーベルト/年未満を維持しつつ、多核種除去設備の稼働率を上げて浄化処理を実施し、リスク低減をはかる。

    • 結果

      フランジ型タンクで貯蔵するリスクを低減させることを意識し、多核種除去設備の稼働率を上げて処理を実施した。
      その結果、2018年11月に、フランジ型タンク内のストロンチウム等処理水(ALPS処理前水)については、全量処理が完了したものの、2016年度と比べ核種別の告示濃度限度超えの割合が多くなっている。
      なお、2019年3月に、フランジ型タンクに貯蔵している多核種除去設備等処理水についても、溶接型タンクへの移送が全て完了した。

      処理水の放射性物質の濃度
      • サンプリング数に対する告示濃度超過回数の割合を核種別に示したもの
      • 既設・増設・高性能多核種除去設備による処理量の合計

  • ALPS処理水等の今後
    • ALPS処理水等の今後

      タンクに保管しているALPS処理水等については、2021年4月13日に政府により決定された「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」を踏まえた対応を徹底するべく、取り組んでまいります。

      ALPS処理水の海洋放出にあたっては、法令に基づく安全基準等の遵守はもとより、関連する国際法や国際慣行に基づくとともに、人及び環境への放射線影響評価※により、放出する水が安全な水であることを確実にして、公衆や周辺環境、農林水産品の安全を確保します。

      ALPS処理水等の取扱いにあたり、環境へ放出する場合は、トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する国の規制基準(告示濃度比総和1未満)を満たすまで、多核種除去設備等で浄化処理します。
      放出の際は、取水した海水と混合し、十分希釈します。放出量については、当面は、事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレルの範囲内で行い、
      廃炉の進捗等に応じて適宜見直します。

      ※ 海洋環境に及ぼす潜在的な影響を含む

      ALPS処理水等の今後

ALPS処理水等の保管