地下電気設備の地上敷地を活用した、民間初の港区指定喫煙所がオープン!

2019/12/04

Hito-iki Vision

2019年10月、東京電力パワーグリッド銀座支社が地下電気設備を設置している敷地の地上部にて、民間初の港区指定喫煙所となる「六本木7丁目Hito-iki Vision」(東京都港区六本木7-13-1)がオープンしました。東電タウンプランニングらが手掛けるこの「Hito-iki Vision」とは、喫煙所内で屋外用大型デジタルサイネージを用いた映像配信を行う新サービスのこと。港区のみならず、ビデオマーケティング支援事業等を行う株式会社エビリーや日本たばこ産業株式会社(以下、JT)など、様々な企業と連携して進められました。東京電力グループが取り組む、収益力と企業価値の向上に向けた新たなサービスとしても期待される本プロジェクトに携わった4人の担当者に、話を聞きました。

東電タウンプランニング株式会社
CS事業本部 事業推進企画部
課長

田上 直

1999年、東京電力入社。2018年、東電タウンプランニングに出向し、『Hito-iki Vision』の企画・進行管理・各企業との交渉など、業務全般に携わる。

東京電力パワーグリッド株式会社
銀座支社 地中送電保守グループ
保守リーダー

望月 隆宏

1992年入社。今回の喫煙所設置場所を含む、銀座支社エリアの電力供給に関わる地中設備の管理を担当。

望月 隆宏

東京電力パワーグリッド株式会社
銀座支社 企画総括グループ
チームリーダー

勝俣 マキ

1991年入社。堀さんとともに、港区をはじめとする自治体との交渉ならびに社内への情報共有に関する業務に携わる。

勝俣 マキ

東京電力パワーグリッド株式会社
銀座支社 企画総括グループ
課長

堀 清太郎

1995年入社。勝俣さんとともに、港区をはじめとする自治体との交渉ならびに社内への情報共有に関する業務に携わる。

堀 清太郎

“ほっと一息つくリラックス空間”と“デジタルサイネージ”の融合

田上「人々が一定時間滞在する“ほっと一息つくリラックス空間”を生み出し、そこに“デジタルサイネージ”を活用した広告配信を組み合わせることで、当社の収益力・企業価値向上へつなげていく。それが『Hito-iki Vision』の目指す姿です。
最初から喫煙所をつくる目的でスタートしたわけではなくて、本プロジェクトを進めるにあたり、まずはどんな場所にデジタルサイネージを設置するかという検討から着手しました。ビルの壁面に設置して信号待ちの人たちに見てもらう、バス停に設置してバスを待っている人たちに見てもらう……。様々な案を検討している最中、気分を変えようと立ち寄った喫煙所の中で、ふと『喫煙所も、いいな』と思いついたんです。あくまで、『デジタルサイネージを設置するのにふさわしい、人々が一定時間滞在する空間』を検討した結果、喫煙所という形にたどり着きました。
それから、港区の環境課へ喫煙所設置に関するご相談に伺ったり、JTさまにコンサルタントとして参加していただき、喫煙所を設置するノウハウを共有していただいたりと、実現に向けて準備を進めてきました。
加えて、喫煙所を設置する“土地”の選定も行う必要がありました。東京電力パワーグリッドに相談を持ちかけたところ、新宿や新橋など、活用できそうな土地を多数紹介していただき、最終的に六本木の東京ミッドタウン前に決定しました」

望月「現在喫煙所が設置されている土地は当社の銀座支社が受け持っており、電力供給に関わる機器が地下に保管されています。そうした機器に影響を与えないよう、設置工事や設備管理は細心の注意を払って実施しました」

「国や東京都が進めている受動喫煙防止対策の一助となる、地域の防災や2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた環境整備にもつながるといった様々な利点が生まれることから、港区役所の皆さまにも、我々の活動に前向きな姿勢を示していただきました」

勝俣「港区の各町会・自治会にも訪問し、喫煙所設置についてご説明いたしました。多くの方に本プロジェクトへ理解を示していただき、地域の皆さまへのご説明はスムーズに進めることができました」

田上「喫煙所の中に設置するデジタルサイネージのコンテンツについても検討を重ねています。各地に設置されているデジタルサイネージでは、主に企業の広告や天気予報などが放映されています。そこに、より人々の興味を引くような映像コンテンツを用意するため、YouTuber(ユーチューバー)の起用に思い至りました。現在は、YouTuberによるインフルエンサービジネスを手掛ける株式会社エビリーとともに、新たな映像コンテンツの配信に向けて検討を進めています」

喫煙所外観

望月さんは「喫煙所が設置される前は業務車両を駐車する程度しか活用していなかった」と振り返る

「ここで諦めたら、ダメだ」という思いが、プロジェクトを成功へと導いた

田上「実現に向けて順調に進んでいくと思われましたが、初め喫煙所を設置することを前面に出して本プロジェクトの概要を社内で共有したところ、『喫煙を絡めたビジネスは社会的にマイナスのイメージを与えてしまうのでは』とあまり良い受け止め方ではない状況でしたね。それでも、『受動喫煙対策が求められている今、国とともに民間企業である私たちがこのプロジェクトに取り組むことで、地域社会にも貢献できる』『広告出稿料を獲得して、その収益で喫煙所の管理・維持を行うと同時に、東京電力グループの収益力向上につなげる』といったメリットを丁寧に説明し続けることで、東京電力グループ内からも理解を得ることができました」

望月「六本木という場所に設置することについても、『街の治安悪化につながりかねない』という意見が寄せられたんです。それでも、『東京ミッドタウンの目の前という一等地。この場所で実現できなかったら、他の場所でも無理だろう。ここで諦めたら、ダメだ』という田上さんの言葉に奮い立たされました。その後、防犯カメラの設置、緊急連絡先の記載、警察との連携強化といった諸対策を行った結果、治安悪化につながるようなトラブルはこれまで一度も起こっていません」

勝俣「実を言うと、私も当初は“TEPCOが喫煙所をつくる”ことに良いイメージを抱いていなかったんです。ですがある時、街の清掃活動に参加した息子が、ポイ捨てされているタバコの吸い殻を拾う姿を思い出したんです。その時に、自身の考えを改めました。『大人が捨てたゴミを、子どもたちに拾わせるようなことがあってはならない』。そう思うようになってからは、地域の環境美化に寄与する本プロジェクトは、社会貢献につながる大切な仕事だと実感するようになりましたね」

堀「現在は、港区のご担当者さまからも『路上喫煙対策が喫緊の課題となっている中で、こうした喫煙場所を整備していただき、本当に感謝している』という声を頂戴しています。社内からも、本プロジェクトが当社のみならず、地域の皆さまにもメリットのある取り組みであるという前向きな意見が寄せられるようになりました」

田上「『六本木7丁目Hito-iki Vision』の設置期間は、2020年9月末までを予定しています。設置当初は1日100人ほどだった利用者数も、現在は800人まで増加しています。今後もより広告価値の高い映像コンテンツが届けられるような環境を整備していくとともに、地域の皆さまが“ほっと一息つける空間”の創出を続けていきたいと思います」

※ 2019年11月時点

デジタルサイネージ

喫煙所内に設置されたデジタルサイネージ。「前例がなく、様々な困難を伴う新規事業に取り組む時、大切なのは“自分が楽しめるかどうか”。“楽しい、面白い”という気持ちは、大きな原動力になります」と田上さんは話す

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