目的

福島第一原子力発電所の廃炉作業には長期間を要するため、腐食などによる設備の経年劣化を適切に管理していく必要があります。研究所では様々な設備に対する腐食リスク評価並びに対策技術の実機適用を通じて、廃炉作業の安定化を支援しています。

概要と成果

成果例1 使用済燃料プールの腐食対策活動

震災直後に、燃料の緊急冷却措置のために海水が注入された使用済燃料プールでは、ステンレス鋼製の内張りが短期間に腐食で貫通し、プール水が漏えいする懸念がありました。研究所では、厳しい放射線環境下でも適用可能な腐食抑制手法を考案・検証し、現場と協働で実機に展開しました。それから数年が経過しましたが、プールは漏えいすることなく、燃料取り出し作業が着実に進められています。

成果例2 1F構内設備の腐食原因調査

1F構内では、水処理設備や貯水タンクなどの様々な設備で腐食による劣化を適切に管理する必要が生じています。腐食損傷が生じた場合は、直ちに現場での調査を行い、原因究明に努めています。

汚染水を貯蔵するタンク内部の腐食調査状況

汚染水を貯蔵するタンク内部の腐食調査状況

成果例3 臨界管理と腐食抑制を同時に実現する技術を開発

燃料デブリ取り出しにおいて「燃料の再臨界防止」と「設備の腐食抑制」は、ともに重要な課題です。研究所では、中性子吸収作用を有する薬剤を特定の比率で冷却水に添加することにより、両者の課題を同時に解決できる技術を開発しました。

成果例4 放射線環境下で有効な腐食抑制剤の開発

1Fの設備は強い放射線を受けているため、一般的な腐食抑制剤が放射線により変質し、逆に腐食を促進してしまう場合があります。研究所では、多数の検証実験により、放射線環境下でも有効な腐食抑制剤を開発しています。

担当部署

経営技術戦略研究所 技術開発部 環境・エネルギーエリア

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