目的

福島第一原子力発電所の汚染水処理設備では、汚染水中のセシウムなどの放射性物質を、数種類の粒状の吸着材を用いて除去しています。こうした吸着材のなかには、チタンなど高価な材を含有したものもあるため、汚染水処理コスト高の要因の一つになっています。そこで当社では、吸着材の低コスト化を目指した検討を行っています。

  • (1)

    現状の吸着状況を確認したところ、吸着材の種類によっては、セシウムは、吸着材粒の表層だけにしか吸着していないことがわかりました。従って、粒中心部の高価な吸着材成分は無駄になっている場合があることがわかりました。

吸着材断面の全体イメージ像と各成分の分布状況

  • (2)

    そこで高価な吸着材成分を粒の表層のみにコーティングした低コスト吸着材を試作しました。低コスト吸着材の性能試験をしたところ、福島第一原子力発電所の汚染水処理で使用している現行品と同じ性能が得られることがわかりました。従って、吸着材コストを低減出来る見込みが得られます。

成果の適用先・事例

検討した吸着材は、福島第一原子力発電所にて実際の汚染水を使った試験も行い、性能を確認した上で、順次現場に適用されています。合わせて、吸着材の性能向上やリスク低減にも取り組んでいます。

担当部署

経営技術戦略研究所 技術開発部 材料・化学エリア

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