2021年3月21日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー

福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項)

【主な作業実績と至近の作業予定等】
・3月20日午後6時10分頃、宮城県沖を震源とする地震が発生しました。発電所周辺町での最大震度は5弱でした。(気象庁発表)
・発電所内で観測された地震加速度の最大値は、6号機原子炉建屋基礎マットにおいて、水平38.0ガル、垂直30.7ガルでした。
・福島第一原子力発電所の地震関連情報(点検状況等)は、次の通りです。

○主な時系列
3月20日
 午後6時10分頃 地震発生
        プラント状況は以下の通り
        ・1~6号機設備プラントパラメータ      確認中
        ・滞留水移送設備・水処理設備パラメータ    確認中
         今後、滞留水移送設備および水処理設備の運転を停止
        ・原子炉注水設備(1~3号機)        確認中
        ・使用済燃料プール冷却設備
        (1,2,3,4,5,6号機、共用プール)  確認中
        ・モニタリングポスト指示値          有意な変動なし
        ・発電所敷地境界・構内ダストモニタ指示値   有意な変動なし
        ・構内線量表示器指示値            有意な変動なし
        ・構内排水路モニタ、海水放射線モニタ指示値  有意な変動なし
 午後6時33分  滞留水移送設備および水処理設備の運転を停止
 午後6時50分  プラント状況は以下の通り
        ・1~6号機設備プラントパラメータ      異常なし
        ・滞留水移送設備・水処理設備パラメータ    異常なし
        ・原子炉注水設備(1~3号機)        運転継続
        ・使用済燃料プール冷却設備
        (1~3,6号機、共用プール)        運転継続
         ※5号機は地震発生前から作業のため冷却停止中
        ・モニタリングポスト指示値          有意な変動なし
        ・発電所敷地境界・構内ダストモニタ指示値   有意な変動なし
        ・構内線量表示器指示値            有意な変動なし
        ・構内排水路モニタ、海水放射線モニタ指示値  有意な変動なし
 午後6時54分  実施計画IIIによる現場パトロールを開始
 午後8時09分  連絡弁の開運用を行っているタンクエリア(D、H8A、G1、G4南)において漏えいのないことを確認
 午後8時42分  潮位計データに有意な変動がないことを確認
 午後9時00分  プラントパラメータに有意な変動がないことを確認。
        1、3号機原子炉格納容器内水位については以下の通り
        ・1号機:現状の水位は、温度計T2(T.P.+5,964mm)と水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mmである)
        ・3号機:現状の水位は、水位計L3(T.P.+10,064mm)と水位計L2(T.P.+9,264mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,044mmである)
         ※原子炉格納容器内水位(圧力抑制室圧力の水頭圧換算による計算値)はT.P.+9,553mmであり、午後4時00分のデータ(T.P.+9,542mm)に比べて,大きな変化はなし。
        また、地震時に1号機PCV水位計L2の接点が離れる事象を確認しましたが、すぐに復帰していることを確認。
        モニタリングポスト指示値,発電所敷地境界・構内ダストモニタ指示値,  構内線量表示器指示値,構内排水路モニタ、海水放射線モニタ指示値に有意な変動がないこと確認。
        なお、構内B排水路の原因調査用モニタの一部に若干の上昇傾向がみられたが、B排水路のサンプリング水を分析したところ、全ベータが17Bq/L、Cs137濃度が1.1Bq/Lであり、BC排水路モニタの管理基準1,500Bq/Lに比べて低いことを確認。また、上昇傾向を示したモニタの指示が下降傾向を示していることを確認。
3月21日
 午前2時00分  ・現時点で、設備の異常及び水漏れ等の異常がないことを確認。
        ・タンクエリアについて
         処理水タンクエリア及びその他タンクエリアについては、現時点で水漏れ等の異常がないことを確認。
         また、Fタンクエリアのタンク天板部に設置されている雨どいに破損があることを確認。
        ・水処理関連設備について
         淡水化装置、セシウム吸着装置、多核種除去設備等の設備については現時点で水漏れ等の異常がないことを確認。
        ・3号機原子炉建屋地震計の加速度については、以下の通り
         ・5階(オペレーティングフロア):114.6ガル(南北方向)
                          127.4ガル(東西方向)
                          43.8ガル(垂直方向)
         ・1階             : 81.3ガル(南北方向)
                          74.5ガル(東西方向)
                          52.3ガル(垂直方向)
  午後3時00分 ・タンクエリアについて
        処理水タンクエリアおよびその他タンクエリアについては、水漏れ等の異常がないことを確認。
        タンクの滑動(ずれ)や連結管の変位等の有無に関する詳細については、本日(3月21日)朝方より現場確認を実施し、Fタンクエリアのタンク1基について、微少なタンクの滑動(ずれ)を確認したものの機能に影響を及ぼすものではないことを確認。
        なお、他のタンクエリアについては、昨日(3月20日)の地震によるタンクの滑動(ずれ)のないことを確認。
        また、Fタンクエリアのタンク天板部に確認された雨どいの破損については、修理が完了。
         ・水処理関連設備について
          水処理関連設備については、淡水化装置、セシウム吸着装置、多核種除去設備等の設備について、本日(3月21日)朝方より詳細な現場確認を実施し、昨日(3月20日)の地震による異常がないことを確認。
         ・コンテナ等廃棄物保管エリアについて
           廃棄物保管エリアについては、本日(3月21日)朝方より現場確認を実施し、固体廃棄物貯蔵庫や一時保管エリア等の設備について、昨日(3月20日)の地震による異常のないことを確認。
         ・滞留水移送設備について
           滞留水移送設備については、パトロールにおいて異常のないことを確認したことから、本日(3月21日)午後1時16分に移送を再開し、午後1時54分、現場に異常がないことを確認。
・昨日(3月20日)より点検を実施していた既設淡水化装置(RO-3)について、本日(3月21日)ウルトラフィルタ用圧縮機に不具合があることが確認されたことから、午後0時30分に同装置を非待機と判断。このことから、淡水化装置の運用が全て停止となった。今後、不具合のあった圧縮機について原因調査を実施。なお、原子炉注水の水源については引き続き供給可能であることを確認。

【サブドレン他水処理施設の状況】
サブドレン他水処理施設の状況
*3月17日の一時貯水タンクKの排水自動停止に関する原因調査の結果、一過性であることを確認したことから、一時貯水タンクBの排水は3月22日に実施する。

【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/

【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
・原子炉格納容器水位、温度等のパラメータを監視していたところ、2月18日に1号機の原子炉格納容器水位に低下が見られたことから、他のパラメータを確認したところ、1号機において2月15日以降、3号機において2月17日以降に原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向が見られた。このため、2月18日に関連パラメータを評価していたところ、1、3号機ともに原子炉格納容器水位が低下傾向にあると判断。
原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能(希ガスモニタ含む)、敷地境界のモニタリングポスト及びダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動は認められていないことから、外部への影響はないと判断。
地震後の点検において、原子炉注水設備のパラメータ及び目視点検では異常が確認されておらず、原子炉への注水は適切に行われていることを確認しており、原子炉格納容器水位低下の要因としては地震による原子炉格納容器損傷部の状況変化も考えられるが、今後もパラメータを注視して監視していく。
原子炉建屋水位については現状では有意な変動は確認されていないが、パラメータの詳細評価及び監視を行っていく。
・2月19日にお知らせした1、3号機原子炉格納容器内水位について、その後の状況をお知らせします。 [3月21日午前11時現在]
 1号機:現状の水位は、温度計T2(T.P.+5,964mm)と水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mmである)
 3号機:現状の水位は、水位計L3(T.P.+10,064mm)と水位計L2(T.P.+9,264mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,044mmである)
     ※原子炉格納容器内水位(圧力抑制室圧力の水頭圧換算による計算値):T.P.+9,571mm
      (2月19日午後5時時点の計算値:T.P.+9,623mm)
 ※原子炉への注水は安定して継続実施中
 ※原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能及び敷地境界モニタリングポスト等に有意な変動なし
  なお、過去の注水停止試験において水位低下により格納容器圧力も低下したが、放射性物質の飛散などによる外部への影響がないことを確認している。今後も水位低下が継続した場合、同様な事象が発生するものと思われるが、慎重に監視していく。
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(3,4号機は燃料取り出し済み)。
・5号機使用済燃料プールについては、使用済燃料プール水位がオーバーフロー付近にあることを毎日1回確認しているが、使用済燃料プール冷却浄化系(以下、「FPC系」という。)の弁点検に伴い、使用済燃料プール水位を低下させる。このため、特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子炉施設の保安」第2編第55条に定める運転上の制限(使用済燃料プールの水位がオーバーフロー水位付近にあること)を満足できなくなることから、特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子力施設の保安」第2編第74条(保全作業を実施する場合)を適用し、必要な安全措置を定めた上で、計画的に運転上の制限外に移行し点検を実施する。
「使用済燃料プールの水位がオーバーフロー水位付近にあること」を満足できない期間は、仮設水位計を設置し、定期的に水位監視を行う。
[第74条適用期間(予定)]
 3月18日~3月22日
なお、点検に伴い、使用済燃料プールの冷却も停止する。
[第74条適用(実績)]
 3月18日午後6時40分から特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子力施設の保安」第2編第74条(保全作業を実施する場合)第1項を適用し、午後6時47分、使用済燃料プールの水位低下操作を開始。

【1~6号機の状況】
 ※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2020年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。