2023年8月22日
東京電力ホールディングス株式会社

 当社福島第一原子力発電所の事故により、今なお、地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに多大なるご心配とご負担をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申し上げます。

 本日、関係閣僚等会議において、政府から多核種除去設備等処理水(以下、ALPS処理水)の海洋放出の開始時期に係る判断が示されるとともに、当社に対し、放出開始に向けた準備をするよう求めがなされました。当社は、福島第一原子力発電所の廃炉作業を安全・着実に進める責任がある実施主体として、このたびの政府の判断ならびに要請を厳粛に受け止め、実施計画に基づき、今後、最大限の緊張感をもって、放出開始に向けた準備を速やかに進めてまいります。

 海洋放出の実施にあたっては、当面の間、慎重に少量での放出から開始することとしており、2段階に分けた放出を計画しています。
 まず、本日、ALPS処理水初回放出の第1段階として、ALPS処理水が想定通り希釈できていることを確認するために、ごく少量のALPS処理水を海水で希釈し、放水立坑(上流水槽)に貯留します。その後貯留した水を採取し、トリチウム濃度を確認後、8月24日以降、第2段階として連続で海洋放出を実施してまいります。

 廃炉の一環であるALPS処理水の海洋放出は、長期にわたる持続的な取組です。当社は、この期間を通じ、「風評を生じさせない」との強い覚悟をもって、「設備運用の安全・品質の確保」、「迅速なモニタリングや正確で分かりやすい情報発信」、「IAEAレビュー等を通じた透明性の確保」、「風評対策」ならびに「損害発生時の適切な賠償」に全力で取り組んでまいります。
 加えて、地元をはじめとした皆さまが、この先もずっと安心して暮らし、生業を続けていくことができるよう、廃炉の現状や安全対策等の取組を丁寧にご説明させていただくとともに、皆さまからのご懸念やご関心に真摯に向き合い、ご要請をしっかりと受け止め、応えていく取組を一つひとつ重ねてまいります。
 なお、これらの取組を確実に進め、特に、海洋放出の始動段階における対応に遺漏がないよう、経営陣が現場情報を適時に把握し、全社横断的かつ総力を挙げて迅速な課題解決にあたるための体制を速やかに整え、対応に万全を期してまいります。

 当社は、引き続き、福島第一原子力発電所の廃炉・処理水等対策を、安全を最優先に、着実に進めるとともに、地域の復興に向け、「福島への責任」を貫徹してまいります。

※体制強化

<別紙>

以 上