プレスリリース 1999年

マレーシア テナガ・ナショナルへの、新たなコンサルティングの実施について

~当社の進んだノウハウ・経験を、高度情報通信都市(MSC)への電力供給の安定化のために~



                                平成11年5月25日
                                東京電力株式会社


 当社は本日、マレーシア最大の電力会社であるテナガ・ナショナル(TNB)との間で、
有償コンサルティング契約に調印し、基幹送電系統の保護方式改善をはじめとする系統計
画分野等での新たな技術支援を実施することとなりました。

  今回のコンサルティングの特徴は、マレーシアが「マルチメディア・スーパー・コリド
ー」(MSC)構想注1)により国を挙げて建設を進めている、高度情報通信都市(MSC)へ質
の高い安定した電力を送るための技術協力を新たに行うということです。具体的には、大
規模事故停電が発生した時でも、MSC地域内だけはスルダン火力発電所(MSC内のガスター
ビン発電所・総出力61万KW)の運転を継続し「系統単独運転システム」を実現することに
よって、停電を回避できるようにするため、必要な系統リレーシステムや発電所の運転性
能を、経済性を含めて検討いたします。

  テナガ・ナショナルは、マレー半島全域を供給エリアとするマレーシア最大の民間電力
会社であり、同国の発電設備の7割強、また同半島の送配電設備の100%を所有・運営して
います。
  テナガ・ナショナルへの当社コンサルティング業務は、平成8年8月のマレー半島の広
域停電事故注2)を契機に、当社が電力系統の計画・運用に関する分野での技術協力を提
案したことから始まりました。第1回目は、平成9年4月より10年3月まで1年間にわた
り電力系統信頼度の向上に資する技術コンサルティングを有償で行いましたが、このたび
の契約は、初回実績をふまえて実施するもので、一連のコンサルティングを通じ、テナガ
・ナショナル電力系統全体について、系統事故、電源事故対策がレベルアップし、一層の
信頼度の向上がはかられるものと考えています。

  当社は今後とも長年にわたるノウハウや経験を活かし、テナガ・ナショナルをはじめ広
く海外へ電力技術向上のお手伝いをすることを通じ、海外ビジネスを積極的に展開してい
く所存です。

注1)マレーシアにおける「MSC」について
    北はクアラルンプール・南はクアラルンプール新国際空港の間に広がる東西15km・
   南北50kmにわたる地域に、行政都市「プトラジャヤ」と情報都市「サイバージャヤ」
   を建設して高度通信ネットワーク情報基盤を整備し、世界各国から企業や研究施設を
   誘致する計画。
   1997年に起工し、2020年を完成予定としている。国家予算の約1割をつぎ込んだ大プ
   ロジェクト。

注2)平成8年の広域停電について
       平成8年8月3日夕刻、発電所の遮断器の誤操作を発端として全電力系統に波及す
   る停電事故が発生、停電は、翌4日の朝まで約16時間、マレー半島全域13州の広範囲
   に及んだ。
      この広域停電の発生は、マハティール首相が、総額200億米ドルにおよぶMSC構
   想を発表し、海外の企業に投資を求めたわずか2日後のことであり、マレーシア政府
   に与えた影響も大きいものがあった。

        						     	以 上




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