プレスリリース 1998年

千葉火力発電所1号系列(第4軸)の営業運転開始について

-世界最高水準の熱効率49%を実現するとともに、発電所全体で、約950億円(総建設費の約2割)のコストダウンを達成-



                                                   平成10年12月17日
                                                  東京電力株式会社

 当社は、平成7年11月より、千葉火力発電所1号系列ならびに2号系列の新設
工事を進めてまいりましたが、本日、初軸にあたる1号系列第4軸の工事が完了
し、営業運転を開始いたしました。

 この設備は、当社としては横浜火力発電所に次ぐ2番目の改良型コンバインド
サイクル発電(ACC:Advanced Combined Cycle)(注)で、既設の千葉火力発電所
の老朽化に伴い新設したものです。各系列とも4つの軸で構成され、1系列当た
りの出力は144万kW(36万kW×4軸)、1・2号系列合計では288万kWとなり、こ
れは一般家庭約100万軒分に相当します。このたびの1号系列第4軸に続いて、今
後各軸ごとに順次運転を開始し、平成11年12月には1号系列の全てが、12年2月
には2号系列全てが営業運転を開始する予定です。

 千葉火力発電所1・2号系列の特長は次のとおりです。
(1)世界最高水準の熱効率49%を実現
   ガスタービンに最新技術を導入したことにより、燃焼温度をこれまでのコン
 バインドサイクル発電の1,100℃から1,300℃とすることが可能となり、世界最
 高水準の49%という高い熱効率を実現しました。これは、通常の火力発電と比
 較して約2割の効率向上となり、大幅な燃料の節約となります。また、CO2の
 発生量も抑制され、地球環境など環境対策面でも優れています。

(2)約2割のコストダウンを達成
  発注方法を工夫したり、海外からの資機材の調達を積極的に推進するなどし
 て発電所全体で約2割のコストダウンを達成しました。
 1.発注方法の工夫
   ガスタービン、蒸気タービン、発電機等の主要機器について、1号系列は
  三菱重工業、2号系列は米国GE社に同時発注し、両社の技術的、価格的な
  競争を促すことでコストダウンを図りました。
      なお、これらの主要機器は、あらかじめ工場で組み立ててから搬入し、工
  期短縮に努めました。
  2.海外からの資機材の調達
      2号系列におけるガスタービン、蒸気タービン、発電機等の主要機器を米
  国GE社に発注しました。このほか、基礎工事に使用する鋼管杭の約1割を
  海外から輸入しました。発電所全体での海外調達額は約940億円にのぼります。
 3.設備仕様の見直し
      1・2号系列の取水口を一体化させたり、煙突をスリム化するなど設備仕
  様を見直しました。

(3)環境対策
  1.大気汚染防止
    燃料にはクリーンなLNGを使用し、SOx、ばいじんの排出をなくすと
  ともに、最新型の低NOx燃焼器および高性能脱硝装置を採用しました。
 2.景観・緑化対策
   建物や煙突などの形状、色彩を周辺都市環境と調和させる景観対策や、構
  内に自然を再現した公園風緑地を設置し一般公開するなど、地域の皆さまか
  ら親しまれる発電所を目指しております。

 建設にあたりましては、地域の皆さまをはじめ関係各方面の皆さまから多大な
ご理解とご協力をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。これからも、
電力の安定供給とコスト削減に最大限の努力を傾けてまいりますので、一層のご
支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

(注) コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンとを組み
   合わせたもので、ガスタービンから排出された高温の排ガスを再利用して
   蒸気を作り、蒸気タービンとガスタービンで発電します。従来までの蒸気
   タービンだけの火力発電に比べ、熱効率を上昇させ、出力の増加を図るこ
   とができます。改良型コンバインドサイクル発電(ACC)とは、従来の
   コンバインドサイクル発電の燃焼温度を1100℃から1300℃へ上昇させるこ
   となどにより効率をさらに向上させたものです。

                                         以 上





        千葉火力発電所1号系列・2号系列の概要     


1.発電所の概要
  (1)所在地
         千葉県千葉市中央区蘇我町2丁目1367番地
  (2)所長
          石黒基一郎
  (3)敷地面積
     約76万m2(うち1号系列・2号系列は57万m2) 
  (4)出力
    ・1号系列 144万kW(36万kW×4軸)
    ・2号系列 144万kW(36万kW×4軸)
     合 計    288万kW
  (5)設備概要
       ・発電システム   改良型コンバインドサイクル(ACC)
    ・熱効率           約49%
    ・ガスタービン   開放単純サイクル一軸型
                         1300℃級ガスタービン
              軸流排気
    ・排熱回収ボイラ    排熱回収三圧力再熱自然循環型
        ・蒸気タービン   くし形2流排気式再熱混圧復水型
        ・起動装置     サイリスタ起動装置
    ・発電機           横軸円筒回転界磁三相交流同期発電機
        ・ばい煙処理設備   煙  突:200m高集合煙突
 (6)燃料
        LNG(液化天然ガス)
 (7)総工事費
    約3,500億円

2.主な建設経緯
          平成7年7月19日      第130回電源開発調整審議会
          平成7年9月14日      電気工作物変更許可
          平成7年11月6日      工事計画認可
     平成7年11月22日   着工
     平成10年7月24日   試運転開始(初並列)
     平成10年12月17日   1号系列第4軸営業運転開始


3.今後の運転開始予定
     1号系列:3軸   平成11年4月
               2軸     平成11年7月
               1軸   平成11年12月

     2号系列:1軸   平成11年2月
                    2軸     平成11年5月
                    3軸     平成11年8月
                    4軸     平成12年2月



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