プレスリリース 1998年

柏崎刈羽原子力発電所1号機燃料集合体スペーサのずれに関する点検調査状況について


                            平成10年2月3日
                            東京電力株式会社

 すでに1月30日にお知らせしましたとおり、当社は、柏崎刈羽原子力発電所1
号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)において、2体の燃料集合体(2体
とも同一メーカ製)の一部のスペーサ(注1)が正規の位置からずれていること
を確認しました。
 このため、これら2体の燃料集合体について水中カメラ及びファイバースコー
プにより外観検査等を実施した結果、以下のことがわかりました。

1.2体のうち1体の燃料集合体(集合体番号:K1GN1)においては、7個
 あるスペーサのうち4個のスペーサが、それぞれ正規の位置からずれている。
2.もう1体の燃料集合体(集合体番号:K1GN2)では、7個あるスペーサ
 のうち2個のスペーサが、それぞれ正規の位置からずれている。
3.正規の位置からずれている合わせて6個のスペーサから、スペーサの構成部
 品の一部である架橋板(注3)がそれぞれ1個ずつ外れており、これらは当該
 の燃料集合体の内部に全数残っている。
4.脱落している架橋板は、いずれも燃料集合体内部に設けられているウォータ
 ーロッドタブ(注2)と同じ位置に取り付けられていたものである。
5.スペーサを詳細に点検した結果、架橋板を除いて、他の構成部品の取付状況
 に異常は認められない。
6.作業手順等の調査から今回スペーサの位置ずれが発生した燃料集合体は、2
 体とも前回の定期検査時に燃料集合体外観検査(注4)を行っているが、チャ
 ンネルボックスを再装着する際に通常より過大な荷重をかけている。
  この荷重はウォーターロッドを介して架橋板に伝達されるので、架橋板が外
 れたことの要因の一つとなった可能性が考えられる。


 現在までの調査では、これら以外の燃料集合体のチャンネルボックス脱着時
 の作業手順等を確認した結果、過大な荷重をかけたことは認められませんが、
 これまでに以下のことが分かりました。

1.当該の燃料集合体2体と炉内で対称位置にある(燃焼条件がほぼ等しい)同
 一メーカ製の燃料集合体2体の外観検査を行った結果、いずれもスペーサは正
 規の位置にある。
2.他メーカ製の燃料集合体4体について外観検査(1月29日実施済)を実施し
 た結果、いずれもスペーサは正規の位置にある。
3.同一メーカ製の燃料集合体でチャンネルボックスの脱着したことのある他の
 燃料集合体2体について外観検査をした結果、いずれもスペーサは正規の位置
 にある。
4.これに加え、現在定検中の同5号機について同様な履歴をもつ燃料集合体2
 体について外観検査を実施した結果、いずれもスペーサは正規の位置にある。

 なお、今後も、当該号機並びに現在停止中のプラントの同一メーカ製燃料集合
体を中心とした調査を引き続き実施します。
 また、現在運転中のプラントにおいては、当面の間、燃料からの漏えいがない
ことについて監視強化を行うこととします。

                                                                以    上


(注1)スペーサとは、燃料棒と燃料棒の間を所定の間隔に保つための部品です。
(注2)ウォーターロッドとは、燃料集合体の中央部に燃料棒と並行して設けら
   れている中空の管で、内部に水を通すことにより燃料集合体内部の出力分
   布の最適化を図るものです。
    また、タブとはウォーターロッドに7つのスペ-サに応じて一定の間隔
   で取り付けられている板状の突起物で、架橋板を介してスペーサの軸方向
   位置を固定するものです。
(注3)架橋板とは、スペーサ中央部に4個取り付けられている板で、ウォータ
   ーロッドの水平方向の位置を固定し、また、ウォーターロッドタブとの連
   携により、スペーサの軸方向の位置を固定するものです。
(注4)定期検査時の燃料集合体外観検査は、燃料の種類毎に燃焼度の高い2体
   を対象として行われています。



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