プレスリリース 2011年

福島第二原子力発電所1号機原子炉建屋付属棟における発火の調査結果について

                             平成23年6月10日
                             東京電力株式会社
                           福島第二原子力発電所

 平成23年5月27日午前10時1分頃、停止中の1号機原子炉建屋付属棟地下1階の
高圧炉心スプレイ系電源室にある照明用分電盤より発火したことから、午前10時4
分、協力企業作業員が消火し、当社当直員が消火を確認しました。消防署には、午
前10時8分に通報し、その後の消防署の現場確認により鎮火が確認され、建物火災
によるぼやと判断されました。
 本事象によるけが人の発生はなく、外部への放射能の影響はありません。
                        (5月27日 お知らせ済み)
 本事象の調査結果、推定原因、および対策は以下のとおりです。

〔調査結果〕
  調査の結果、以下のことがわかりました。
  ・発火による損傷の著しい箇所は、照明用分電盤内最下部の配線用しゃ断器
   (予備)であったこと。
  ・焼損した配線用しゃ断器の絶縁抵抗測定は、5月19日に実施し、健全である
   ことを確認していたこと。
  ・分電盤が設置してある高圧炉心スプレイ系電源室内は、津波による海水の流
   れ込み(床上5cm程度の浸水)があったこと。
  ・作業当日、同室内は浸水していなかったが、津波により空調機が停止してい
   たため室内湿度が高く、分電盤の設置環境としては良い状態ではなかったこ
   と。
  ・焼損した配線用しゃ断器の近傍にある配線用しゃ断器を分解点検した結果、
   しゃ断器内部の接触金具に塩分が付着していたこと。
  ・津波後の当該分電盤点検時、盤内部の配線用しゃ断器等の機器を確認してい
   なかったこと。

〔推定原因〕
 当該分電盤の盤内部の確認を行っていなかったため、海水の浸水の影響で当該配
線用しゃ断器内への塩分の付着を確認できず、その後、室内で発生した結露水が吸
着しました。このことから、しゃ断器の絶縁抵抗が低下し、この状態で電源を投入
したため漏電・発火に至ったものと推定いたしました。

〔対策〕
 今後、以下の対策を実施いたします。
 ・津波により浸水した電気品については、原則交換または修理を実施する。
 ・津波により浸水したエリアにある電気品を使用する場合は、塩分による汚損が
  ないことを確認する。
 ・津波の後に初めて通電する電気品については、設置環境を確認した上で、通電
  直前に絶縁抵抗を測定し健全性を確認する。
 ・上記3項目について、当社監理員および協力企業作業員に周知する。
 なお、焼損した分電盤については、新規製作することといたします。

 当社といたしましては、再発防止に向け対策を着実に実施し、引き続き、火災発
生の未然防止に努めてまいります。

                                  以 上

添付資料
・福島第二原子力発電所1号機 発火概略図(PDF 42.7KB)




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