プレスリリース 2007年

定期検査中の福島第一原子力発電所1号機における非常用ディーゼル発電機損傷の原因と対策について

                             平成19年10月11日
                             東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力46万キロワット)は定
期検査中のところ、平成19年6月19日、非常用ディーゼル発電機*1(1A)の定
例試験において、中央操作室にて非常用ディーゼル発電機室の火災警報が発生いた
しました。当社社員がタービン建屋内の現場を確認したところ、当該発電機および
電源盤からの発煙がありましたが、消防署員による現場確認の結果、いずれも「火
災ではない」と判断されました。
 本事象による外部への放射能の影響はありません。
 その後の点検の結果、当該発電機内および電源盤内に損傷が認められました。
 このため、本件につきましては、非常用ディーゼル発電機が必要な機能を有して
いないことから、6月25日、「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則」に
もとづく報告対象事象であると判断いたしました。
 引き続き、発煙ならびに損傷の原因について調査いたします。
                  (平成19年6月19日25日お知らせ済み)

 調査の結果、以下のことがわかりました。
 ・損傷した電源盤内にあるしゃ断器の部品は、今定期検査中に逆向きで組み立て
  られていたこと。
 ・逆向きで組み立てられた後、当該しゃ断器の「入」および「切」動作を繰り返
  すうちに、逆向きで組み立てられた当該部品と接続されている他の部品とが干
  渉したため、変形(打痕・曲がり)していたこと。
 ・他の部品が変形したことから、当該しゃ断器が正常に動作できなくなり、「切」
  の状態が維持されず、誤動作により「入」の状態となってしまうこと。

 このため、当該しゃ断器は、当該発電機の定例試験において一旦「切」の状態に
なったものの、誤動作により再び「入」の状態となったため当該発電機側に過大な
電流*2が流れ、当該発電機のコイル等が損傷、発煙に至ったものと推定いたしま
した。

 当該部品が誤って組み立てられた原因は、当該しゃ断器の組み立て作業において
使用するチェックシートに、当該部品の組み立て方向を識別することや注意する旨
の記載がなかったためと推定いたしました。

 対策として、当該部品については逆向きで組み立てることができない構造に変更
するとともに、当該しゃ断器の組み立て作業においては各部品の識別管理を行うよ
うチェックシートに明記することといたします。
 また、当該発電機および当該しゃ断器の損傷した部品を新品に交換するとともに
健全性を確認いたします。

                                  以 上

*1 非常用ディーゼル発電機
    所内電源喪失時に所内へ電源を供給するためのディーゼルエンジン駆動の
   非常用発電機。
*2 過大な電流
    通常しゃ断器を投入する場合には、非常用ディーゼル発電機側と電源母線
   側とで電圧などのバランスを調整して投入操作を行うが、今回は調整されて
   いない状態でしゃ断機が誤動作により投入されたためバランスがとれず、電
   圧差により発電機へ過大な電流が流れた。

(参考)INES評価
  本事象は、原子力安全・保安院による国際原子力事象評価尺度(INES)暫
 定評価では、0−(安全上重要でなく、安全に影響を与えない事象)とされてお
 ります。

添付資料
・非常用ディーゼル発電機(1A)および当該しゃ断器の概略図(PDF 124KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー



	

	



			
			
		

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