プレスリリース 2007年

制御棒引き抜け事象に係る調査状況について

                            平成19年3月20日
                            東京電力株式会社

 当社は、現在、北陸電力株式会社による同社志賀原子力発電所1号機の定期検
査中の原子炉における平成11年6月に発生した事故に係る報告、および経済産業
省原子力安全・保安院からの指示(平成19年3月15日、19日)を踏まえ、過去に
制御棒が想定外に引き抜けた事象の有無について調査を行っております。
 本日までに、平成5年6月に定期検査中の福島第二原子力発電所3号機(沸騰
水型、定格出力110万キロワット)において、また、平成12年4月に定期検査中
の柏崎刈羽原子力発電所1号機(同)において、制御棒駆動水圧系*1がノンリ
ターン運転*2の状態で水圧制御ユニット*3の弁の隔離操作を行ったため、制
御棒が引き抜けた状態になったことを確認いたしましたので、お知らせいたしま
す。

 今回確認した事象につきましては、いずれも未臨界であり、原子炉自動停止信
号は発生していないことから、国への報告対象ではなく、保安規定に抵触するも
のではありません。
 しかしながら、水圧制御ユニットの弁を隔離し、またこれを解除する際に、制
御棒駆動水圧系内の圧力が高まらないように原子炉への戻りラインを構成する操
作の重要性について、当時、他社を含めた十分な情報共有がなされておりません
でした。
 これら2件につきましては、本日、情報共有を目的に原子力施設情報公開ライ
ブラリー(「ニューシア」)*4に登録いたします。今後、新たに事象が確認さ
れた場合にはすべての調査が終了次第、ニューシアに登録いたします。
 また、定期検査中のプラントにおける水圧制御ユニットの弁操作にあたっては、
管理手順を遵守し、作業時の確認を徹底して、安全確保に万全を期してまいりま
す。

                                 以 上

【別添資料】
・福島第二原子力発電所3号機における制御棒引き抜け事象について(PDF 145KB)柏崎刈羽原子力発電所1号機における制御棒引き抜け事象について(PDF 149KB)

*1 制御棒駆動水圧系
    復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム
   時の高圧水などを供給する系統。

*2 ノンリターン運転
    制御棒駆動水圧系の系統水全量を制御棒駆動水圧系の冷却水とする運転
   状態のこと。一方、制御棒駆動水圧系の冷却水の一部を、給水配管を通じ
   て原子炉に注入する制御棒駆動水圧系の運転状態はリターン運転という。

*3 水圧制御ユニット
    制御棒を炉心内に挿入したり引き抜きしたりするため、制御棒駆動機構
   に駆動水等を送る装置。また、非常時に制御棒を高圧水で緊急挿入(スク
   ラム)させるための蓄圧槽が付いている。

*4 原子力施設情報公開ライブラリー(「ニューシア」)
    「有限責任中間法人 日本原子力技術協会」が運営する原子力施設の事
   故故障や、事故故障に至らない軽微な事象の情報、並びに信頼性に関する
   情報を共有するためのインターネット・ホームページ。

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