プレスリリース 2005年

広野火力発電所のコンクリート用骨材に関する調査結果等について

                            平成17年2月8日
                            東京電力株式会社

 当社は、福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の建設時に使用さ
れたコンクリート用骨材を納入した事業者が、骨材の品質を保証するアルカリ骨
材反応(注)性試験(以下「試験」という)の成績書をねつ造し危険性のある材料
を納入していた、という趣旨の報道があったことを受け、両原子力発電所におけ
る事実関係の調査を行い、昨年10月22日に原子力安全・保安院へ調査結果等を報
告いたしました。両原子力発電所の調査過程の中で、成績書をねつ造したという
事業者のパンフレットに広野火力発電所が取引先として掲載されていたことから、
広野火力発電所に関しても、これまで事実関係を調査してまいりましたが、以下
のとおり調査結果等をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に報告いたしまし
たのでお知らせいたします。

1.調査概要
  広野火力発電所における過去の試験の実施状況や、当社、生コンクリート会
 社および骨材会社が保有している試験成績書の内容確認、公的試験機関が保有
 している試験成績書原本との照合、関係する骨材会社等へのヒアリングなどを
 実施いたしました。

2.調査結果
  昭和61年以降、骨材会社は試験の実施を公的試験機関に依頼し、その結果
 (成績書原本)を生コンクリート製造会社へ提出し、生コンクリート製造会社
 は建設会社へ、建設会社は当社へ、それぞれその控えを提出するようになりま
 した。
  このような試験の実施が公的規準として整備されて公的試験機関からの試験
 成績書の提出が開始されたのは昭和61年以降であり、1、2号機の発電所本館
 建屋、煙突、取水構造物、燃料設備基礎ならびに3号機の発電所本館建屋基礎、
 取水構造物等の主要な建物・構築物は昭和61年以前に建設されていることから、
 報道されたような試験成績書がねつ造されるといった事実はありません。
  昭和61年以降、広野火力発電所3、4、5号機において建設されたコンクリ
 ート建物・構築物のうち、電気事業法に基づく工事計画認可において基礎に関
 する説明書を提出している施設など、重要度の高い施設は、建物が5施設、構
 築物が12施設ありますが、これらについて残存する成績書を可能な限り確認し
 た結果、平成13年4月以前までは、いずれも「無害」である(アルカリ骨材反
 応を起こす可能性はない)という内容でした。
  しかしながら、この調査の過程で、骨材会社の株式会社東洋機工(以下「東
 洋機工」という)が以下の不適切な行為を行っていたことが判明しました。
  ・平成12年4月に公的試験機関から報告を受けた試験成績書に関して、試験
   で「無害でない」(アルカリ骨材反応を起こす可能性がある)と判定され
   たものを、「無害」という内容にねつ造し提出していた。(対象は添付資
   料の1施設)
  ・同時期にこれらの試験用試料を採取する際に、アルカリ骨材反応が起きに
   くい場所のものを優先して採取していた。(アルカリ骨材反応が起きにく
   い、同一採石場から採取した試料により混合調整していたことが、聞き取
   りにより確認された。)

  なお、昭和61年以降平成7年5月までの間は、公的試験機関の試験成績書保
 存年限の関係で成績書の原本が残されておらず照合確認ができないため、東洋
 機工の試験成績書ねつ造の可能性が否定できません。(対象は添付資料の12施
 設)

3.コンクリートの健全性
  広野火力発電所のコンクリート建物・構築物については、これまで行ってき
 た定期的な目視による点検により、アルカリ骨材反応によるひび割れが発生し
 ていないことを確認しております。また、昭和61年以降に建設された発電所本
 館建屋などの重要施設については、アルカリ総量がいずれもアルカリ骨材反応
 を起こさない数値であることが確認されました。
  さらに今回の調査と並行して、臨時の目視点検等を行いましたが、アルカリ
 骨材反応によるひび割れ等は確認されておりません。
  以上のことから当社は、広野火力発電所のコンクリートの健全性は確保され
 ていると判断しました。

4.今後の火力発電所の対応
 再発防止対策として今後は以下を徹底します。
 (1)試験成績書の原本を第三者機関から直接当社宛に送付するよう建設会社
    に義務づけ、当社は提出された試験成績書の原本を確認いたします。
 (2)骨材の試験サンプルを採取及び発送の際には、当社または当社が指定す
    る第三者が立会確認を実施することといたします。また、当社は試験サ
    ンプリング採取及び発送に関する記録を保管します。

 なお、今後も引き続き、計画的な点検を実施し、コンクリートの健全性を確認
していく所存です。

注:アルカリ骨材反応
  コンクリート中のアルカリ金属イオンと砂や砂利に含まれるある種の鉱物と
  の化学反応による生成物が、水分の供給により膨張する現象。
   これにより、コンクリートが膨張し、ひび割れが生じる。

                                 以 上

添付資料
・規準類整備以降の建物、構築物のコンクリートの健全性確認状況(PDF 13.9KB)規準類整備以前の建物、構築物のコンクリートの健全性確認状況(PDF 10.6KB)用語解説(PDF 10.0KB) 


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