プレスリリース 2000年

PCB絶縁油及び変圧器等のリサイクル施設の設置について



                         平成12年1月19日
                         東京電力株式会社

 当社はこのたび、当社の保有するPCBを化学抽出分解法により安全に
処理し、再資源化を図るため、「絶縁油リサイクルセンター(仮称)」2
か所及び「変圧器等リサイクルセンター(仮称)」1か所を設置すること
としました。

 「絶縁油リサイクルセンター(仮称)」は、PCB絶縁油の分解・再資
源化を行う施設で、横浜火力発電所(神奈川県横浜市)敷地内及び蘇我資
材センター(千葉県千葉市)敷地内に設置を計画しており、関係自治体と
の協議を経て、それぞれ平成12年度に運転を開始する予定です。
 また、「変圧器等リサイクルセンター(仮称)」は、PCBが付着した
変圧器等の洗浄、PCB絶縁油の分解・再資源化を行う施設で、東扇島火
力発電所(神奈川県川崎市)の隣接社有地内に処理施設と研究施設の設置
を計画しており、「川崎市環境影響評価に関する条例」に基づく環境アセ
スメント手続きを経て、平成13年より順次運転を開始する予定です。

 当社は、高圧トランスやコンデンサなど一部の電気機器の絶縁油にPC
Bを使用してきましたが、PCBの製造・使用が原則禁止された昭和47年
以降、これらの機器を専用保管場所に保管しています。
 また、平成元年には、柱上変圧器用絶縁油のリサイクル(再生)過程で、
ごく微量ながらPCBが混入したことが判明しました。これ以降、再生絶
縁油の使用を取りやめるとともに、柱上変圧器の取替えを順次行ってきて
おり、取り外した柱上変圧器は専用保管場所に保管しています。

 これら保管した絶縁油を安全に処理するため、「化学抽出分解法」を
(財)生産開発科学研究所の協力を得て、三井物産株式会社、株式会社ネ
オスと共同開発いたしました。この技術は、平成10年6月、廃棄物処理法
政省令の改正施行にともない安全な化学処理法として公認されました。
 こうした手順を踏まえ、関係自治体のご理解を得つつ、諸準備を進めて
まいりましたが、このたび同技術を活用した「絶縁油リサイクルセンター
(仮称)」及び「変圧器等リサイクルセンター(仮称)」を設置するはこ
びとなったものです。

 PCB処理に関しましては、これまで当社は次の基本的な考え方に基づ
いて具体的な準備を進めてまいりました。
○ 当社の保有するPCB絶縁油及び電気機器等は、自らの責任で、自ら
 処理・再資源化する。
○ 電気機器等に使用されたPCB絶縁油は、各都県単位を基本に「絶縁
 油リサイクルセンター(仮称)」を設置して、化学抽出分解法によるP
 CBの分解及び再資源化を行う。
○ PCB絶縁油を抜いた後の変圧器本体等は、1か所に集約した「変圧
 器等リサイクルセンター(仮称)」を設置して洗浄及び再資源化を行う。
 また、洗浄処理によって発生するPCB絶縁油は本センター内で分解及
 び再資源化を行う。
○ 再資源化した絶縁油、機器の部材(鉄・銅など)を有効にリサイクル
 する。

 当社は、今後ともこうした基本的な考え方に基づき、PCB処理を皆さ
まのご理解を頂きながら、安全と環境を最優先に取り組んでまいる所存で
す。
                              以 上

施設の概要

1.横浜絶縁油リサイクルセンター(仮称)の概要
(1)設置の場所
   神奈川県横浜市鶴見区大黒町11-1
   横浜火力発電所敷地内
(2)敷地面積
   約4,300平方メートル
(3)処理対象
   神奈川県内の当社のPCB絶縁油。
(4)施設概要
   PCB絶縁油の分解・再資源化施設(PCBのppmオーダー処理用及
   び%オーダー処理用)
    * 第1期(処理開始後約1年間)において実証試験と同一規模の分
   解槽によるPCBが微量に混入した絶縁油(ppmオーダー)の分解・
   再資源化施設を設置して処理を行い、第2期(処理開始後2年目以
   降)はこの処理能力アップのための改造及びPCB絶縁油(%オー
   ダー)の分解・再資源化施設を新設して本格的な処理を行います。
(5)処理能力
   PCBが微量に混入した絶縁油;1.0 kl/日 (第1期)
                  6.6 kl/日 (第2期)
   PCB絶縁油        ;0.35 kl/日 (第2期)
(6)運転開始予定
   第1期 平成12年下期
   第2期  平成13年以降
(7)その他
   横浜市より横浜市内に保管されている当社以外のPCBの処理への
   協力について、ご相談を受けており、協議を行っております。

2.千葉絶縁油リサイクルセンター(仮称)の概要
(1)設置の場所
   千葉市中央区蘇我町2-1372-5
   蘇我資材センター敷地内
(2)敷地面積
   約3,300平方メートル
(3)処理対象
   千葉県内の当社のPCB絶縁油。
(4)施設概要
   PCB絶縁油の分解・再資源化施設(PCBのppmオーダー処理用)
    * 第1期(処理開始後約1年間)において実証試験と同一規模の分
   解槽によるPCBが微量に混入した絶縁油(ppmオーダー)の分解・
   再資源化施設を設置して処理を行い、第2期(処理開始後2年目以
   降)は処理能力アップのための改造を行って本格的な処理を行いま
   す。
(5)処理能力
   PCBが微量に混入した絶縁油;1.0kl/日(第1期)
                   6.6kl/日(第2期)
(6)運転開始予定
   第1期 平成12年度中
   第2期  平成13年度中
(7)その他
   PCB絶縁油の処理は、PCBが微量に混入した絶縁油の処理開始
  後に、引き続き行う計画です。

3.変圧器等リサイクルセンター(仮称)の概要
(1)設置の場所
   神奈川県川崎市川崎区扇島4-7及び4-13の一部
      東扇島火力発電所隣接社有地
(2)敷地面積
   約31,700平方メートル
(3)施設概要
  ・ 変圧器等の洗浄・再資源化施設
    ・ PCB絶縁油の分解・再資源化施設(PCBのppmオーダー処理用)
  ・ 研究施設
   * 研究施設では絶縁油としてPCBを使用した電気機器や蛍光灯
    安定器といった小型機器の分解・解体、予備洗浄などPCBが付
    着した機器等の前処理技術の実証的研究を行うとともに、技術の
    確立されたものから、順次実処理を行っていきます。
(4)処理対象
  ・ 当社の保有するPCB絶縁油を抜いた後の変圧器等
  ・ PCB絶縁油の付着した機器等から洗浄除去したPCBが微量に
   混入した絶縁油および川崎市内に保管しているPCBが微量に混入
   した絶縁油
(5)処理能力
  ・ 洗浄・再資源する変圧器等  ; 140トン/日
  ・ PCBが微量に混入した絶縁油;6.6kl/日
(6)運転開始予定
  ・  PCB絶縁油の分解・再資源化施設 平成13年中
  ・ 変圧器等の洗浄・再資源化施設   平成14年中
(7)川崎市環境影響評価に関する条例に基づく指定開発行為名称(環境
   アセスメント事業の名称)
   「変圧器等のリサイクル及び研究開発事業」

(参 考)

当社のPCB保有状況
(平成11年3月末現在)

1.高圧トランス・コンデンサ
 (1)概要
   PCBそのものを絶縁油として使用した600ボルトを超えるトランス、
  コンデンサ。PCB濃度は変圧器で60~70%程度、コンデンサは100%。
 (2)保有・保管量
   高圧トランス・コンデンサ;約3400台(内約70台使用中)
             (昭和51年時点で既に設置されている分は継続使用が
          認められている)
   PCB絶縁油;約651キロリットル

2.柱上変圧器
 (1)概要
   平成元年に、柱上変圧器用絶縁油のリサイクル過程で、本来使用す
  ることのないPCBが微量ながら(ppmオーダー)混入したことがわか
  った。それ以降、柱上変圧器の取り替えを順次実施。
 (2)保有・保管量
   柱上変圧器 ;約110万台(内約58万台使用中)
                 (取り外した柱上変圧器から、一部タンクに移しての
          保管あり)
   PCB絶縁油;約6.5万キロリットル




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