火力発電
火力発電について
火力発電は、石油や液化天然ガス(LNG)、石炭などを燃やし、その熱でつくった蒸気の力で、発電機を回して電気をつくります。
出力が大きく、そのうえ電力の使われ方(需要の変動)に柔軟に対応することができるため、電力供給の中心的役割を担っています。
東京電力グループでは、東京電力フュエル&パワーが、発電効率を高めるための新しい技術の開発や既存設備の改良に取り組んでいます。世界トップクラスの熱効率、環境対策技術を有しています。
火力発電は電力供給の中心的存在
日本の電気の大半は火力発電によって供給されています。需要変動に合わせて、主に火力発電で電力供給量を調整しています。
火力発電所では、燃料確保の安全性や経済的調達、環境対策などの面から、硫黄分を含まないクリーンなエネルギーであるLNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、そして重油、原油、NGL(天然ガス液)といった石油系燃料や石炭など幅広い燃料を使用して電気をつくりだしています。
一般的な火力発電のしくみ(ACC発電)
1.燃料
重・原油の場合
船で運ばれてきた重・原油は、専用のタンクに貯蔵され、そこからポンプでボイラー内に吹き込まれます。
重油は通常、1リットルあたり4万1,000kJ(1万kcal)程度の熱を発生します。
富津火力発電所の燃料タンク
富津火力発電所の受入バースに接岸中のLNG船
LNGの場合
マレーシアやブルネイ、ダス島、オーストラリアなどで産出された天然ガスは、現地で-162℃、600分の1の体積のLNG(液化天然ガス)にされ、専用タンカーで輸送されてきます。そして魔法瓶のような二重構造の燃料タンクに蓄えられた後、気化器で再びガスになり、ボイラーに送られます。LNGは、1kgで5万5,000kJ(1万3,000kcal)程度の熱を発生します。
2.ガスタービン
燃焼器内の圧縮空気中で燃料を燃やしてガスを発生させ、その膨張力を利用してガスタービンを回します。
3.排熱回収ボイラー
ガスタービンを回した後の高温の排ガスを利用して、水を加熱して蒸気をつくります。
内部には排ガス中の窒素酸化物を低減させる脱硝装置を備えています。
4.蒸気タービン
排熱回収ボイラーからの蒸気の力で、蒸気タービンを回します。
東扇島火力発電所2号機の低圧タービン
この手前に発電機が接続されています
富津火力発電所からの送電線
5.発電機と変圧器
発電機は毎分3,000回転という高速で回転し、およそ1万5,000~2万Vの電気を生み出します。この電気は、発電所内の変圧器で15万4,000~50万Vに電圧を上げて送電されます。