ALPS処理水等
福島第一原子力発電所で発生する汚染水を浄化処理し、発電所内のタンクで貯蔵している水。
セシウムとストロンチウムを除去した「ストロンチウム処理水」と、多核種除去設備等によって、ストロンチウム処理水からトリチウム以外の大部分の放射性核種を取り除いたALPS処理水等があります。
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福島第一原子力発電所の事故により発生している、高濃度の放射性物質を含んだ水のことです。
福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉内には、事故により溶けて固まった燃料(燃料デブリ)が残っています。燃料デブリは水をかけ続けることで冷却された状態を維持していますが、この水が燃料デブリに触れることで、高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」が発生します。また、この高濃度の放射性物質を含んだ「汚染水」は原子炉建屋内等に滞留しているため、建屋内等に流れ込んだ地下水や雨水と混ざることによっても「汚染水」が発生します。
この「汚染水」は、複数の設備で放射性物質の濃度を低減する浄化処理を行い、リスク低減を行った上で、敷地内のタンクに「ALPS処理水等」として保管しています。
トリチウム以外の放射性物質については、告示濃度比総和1を確実に下回るまで、多核種除去設備等であらためて浄化処理(二次処理)を行います。
二次処理にあたり、その性能確認を行うため2020年に試験を実施しました。 この試験では、告示濃度比総和が異なるタンク群(「J1-C群」及び「J1-G群」)について、各々約1,000m3(合計約2,000m3)を二次処理し、トリチウムを除く放射性物質(62種類の放射性物質+炭素14)が国の規制基準値(告示濃度比総和1)を下回る値まで低減できることを確認しています。また、多核種除去設備による二次処理後のALPS処理水を第三者機関にて分析を行い、当社の分析結果と同様な結果が得られています。
<除去対象核種(62核種)+炭素14の告示濃度比総和※>
J1-C群 : 【処理前】2,406 → 【処理後】0.35
J1-G群 : 【処理前】 387 → 【処理後】0.22
*分析結果が検出限界値未満の放射性物質は、検出限界値を用いて算出。
*除去対象核種(62核種)+炭素14のうち、検出された放射性物質は12種類(ストロンチウム90、イットリウム90、ルテニウム106、ロジウム106、アンチモン125、テルル125m、ヨウ素129、セシウム135、セシウム137、バリウム137m、コバルト60、炭素14 )。
〇参考資料
2020.9.10
多核種除去設備等処理水の二次処理の性能確認試験
2020.12.24
多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(終報)
2021.6.24
多核種除去設備等処理水の二次処理性能確認試験結果(第三者機関)
多核種除去設備(ALPS)の運用当初は、処理水が規制基準を満たすことよりも、敷地内の放射物質濃度の低減を優先して処理していたため、トリチウム以外の放射性物質が国の規制基準を超えて残っています。
多核種除去設備(以下、ALPS)は、汚染水に含まれるトリチウム以外の放射性物質を国の規制基準を満たすまで浄化できる能力があり、現在(2019年以降)は、規制基準を満たすまで浄化処理しています。
ALPSの運用当初は、処理水が規制基準を満たすことよりも、敷地内の放射物質濃度の低減を優先して処理していたため、トリチウム以外の放射性物質が国の規制基準を超えて残っています。
今後これらの水(タンクに保管している水の約7割にあたる「処理途上水」)は、海洋放出前にトリチウム以外の放射性物質が規制基準を満たすまで取り除く再浄化処理を行います。
福島第一原子力発電所で発生する汚染水を浄化処理し、発電所内のタンクで貯蔵している水。
セシウムとストロンチウムを除去した「ストロンチウム処理水」と、多核種除去設備等によって、ストロンチウム処理水からトリチウム以外の大部分の放射性核種を取り除いたALPS処理水等があります。
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国が法令※で定めた、福島第一原子力発電所から放射性物質を環境へ放出する場合の、核種毎の放射能濃度の上限のこと。
※東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関して必要な事項を定める告示
原子力規制委員会は、発電所の敷地内に保管されている、ガレキや汚染水等から敷地境界に追加的に放出される線量(自然界にもともとあった線量を除いて、発電所から新たに放出されて増えた分の線量)を「年間1ミリシーベルト(1mSv/年)未満」に抑えることを求めています。この「敷地境界における実効線量」は、敷地内でALPS処理水等をタンクに貯蔵する際の安全管理の基準になっています。